ーよしかわ杜氏の郷の酒造りー
1.精米から蒸米まで→2.製麹(せいきく)→3.仕込み作業→4.上槽から出荷まで
出来上がった麹をもとにして「酒母」を造り、その酒母に3段階に渡って水・麹・蒸米を追加して「もろみ」を造って、それを発酵させていくのが「仕込み」です。日本酒の発酵は「並行複発酵」といって、麹菌によって蒸米のデンプンを糖に変える「糖化」と、酵母による糖の「アルコール化」が同時に進行する、世界のお酒の中でも他に例を見ない発酵方式です。
↓上槽へ続く
酒母(もと)造り
日本酒独特の発酵方式「並行複発酵」の第一段階が「酒母造り」。お酒の発酵に必要な酵母を大量に増殖させていく工程です。日本酒の出来は、酒母のよしあしに掛かっています。「酒母」は麹と水と酵母からなり、麹菌が蒸米を糖に変え、その糖はアルコール発酵に与る酵母の栄養となって酵母を増殖させていきます。他の雑菌の繁殖を防ぎ、お酒を造ってくれる酵母だけを数多く増殖させ、しかも発酵力が強い健全な酵母に育てることが重要です。よしかわ杜氏の郷では、酵母の種類ごとに酒米の特徴を引き出す力が異なるため、
造るお酒ごとに麹を使い分けており、発酵の仕方や温度などの管理法も麹の種類ごとに異なりますが、糖化や発酵の状態を細かく見極め、厳密に温度管理を行いながら10日程度で終了します。
醪(もろみ)造り
大量に酵母菌が発生した酒母をもとに、3段階に分けて水と麹米・蒸米を足し、その後発酵を進めます。「段仕込み」を行うのは、一度に大量の水や米を投入すると酵母が薄められて有害な菌が増殖する危険があるため、酵母を安定的・段階的に増やしていく必要があるからです。
初添 酒母を大きなタンクに移し、麹、水を合わせ(水麹)、2〜3時間後に蒸米を投入します。眠っていた酒母の酵母を活性化するため、やや高めの温度で行います。
踊り 初添えの翌日はひたすら酵母の増殖を待つ日となります。
仲添 踊りの翌日、さらに麹、水、蒸米を投入します。
留添 仲添の翌日、さらに麹、水、蒸米を投入します。
発酵(熟成) 留添の後、もろみの中では糖化とアルコール化がさらに進行していきます。糖化やアルコール化の速度は味わいに大きく影響するので、厳しい温度管理で最適の発酵状態を保ちます。もろみの期間は約3〜4週間です。→上槽へ続く
よしかわ杜氏の郷のお酒のもろみ期間
天恵楽純米酒→約21日
よしかわ杜氏 大吟醸→約45日
有りがたし→約20日
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