「よしかわのかおり」はすべて吉川区旭地区の酪農家、田中幸男さんの作る牛乳から生まれます。
よしかわの畜産は、戦後数件の農家が米作りのかたわら牛を飼い始めたことからはじまりました。その後乳牛農家は数十件まで増えましたが、後継者難などで廃業が続きました。
そんな中で田中さんは40年ほど前、自ら乳牛の飼育を始めました。数少ない、よしかわの貴重な畜産家です。
田中さんは毎日夜明けから、跡継ぎの息子さんと2人で牛舎の掃除や給餌を開始します。搾乳は6時頃から。25頭ほどのホルスタイン種の牛を、一頭づつ丁寧に搾乳していきます。
大きく張った乳房の4つの乳首を一つづつ消毒して、やはり1回づつきれいに消毒した搾乳器を装着すると、たちまちお乳がほとばしります。お乳を搾っている最中の牛は何だかほっとした様子に見えます。実際、とても気持ちがいいそうです。田中さんの牛乳は、清潔なステンレスの缶に詰められて、朝9時前によしかわ杜氏の郷に到着。待ち構えていたスタッフが牛乳を受け取ると、直ちにジェラート製造の開始です。
田中さんは大の動物好き。たくさんの猫や犬たちが敷地内でのんびりすごしている。 |
25頭あまりの乳牛を収容する牛舎は、さわやかな風が吹き抜ける高台の森の中にある。
牛舎の天井は高く、風がよく通り、驚くほど涼しい。夏の暑さによる牛のストレスを少なくするためだ。毎日何度もの丁寧な清掃で清潔さが保たれており、想像するような臭いは少ない。
「よしかわのかおり」の原料の牛乳をつくる、田中幸男さん
衛生に気を配りながら搾乳は行われる。
牛たちの餌には、地元の稲藁も利用されている。乳が大量に出るように濃厚飼料だけで育てると、牛の寿命は数年にすぎなくってしまうが、田中さんの牛たちは12年以上長生きする。
生まれたばかりの赤ちゃん牛。 |