よしかわ杜氏の郷通信

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 ロハスな農村・よしかわの自然は、毎日違った表情を見せてくれます。
 私たちはそんな移り変わる自然の姿を目にしては、喜んだり悲しんだり…自然と喜怒哀楽を共にする暮らしをしています。
 そんなよしかわの姿をほんの少しですが紹介していきたいと思います。
 お気に召しましたら「よしかわ」に一度遊びにきてください。

法政・吉川交流10周年記念イベントポスター2010年12月4日(土)
東京・千代田区の法政大学富士見坂校舎にて
“法政・吉川交流10周年記念イベント”が
開催されました。

法政大学と吉川とのお付き合いのきっかけは、人間環境学部の堀内行蔵学部長がスパルタ農法といわれる永田農法で有名な永田照喜治氏に、「学生のフィールドワークの現場として適した農村はないだろうか」と尋ねられたこと。全国各地の農村を見てまわっている永田氏ならばご存知だろうと思われたからでしょう。

よしかわは30年ほど前から米作りに永田農法を導入しており、その関係で永田氏はよしかわには何度も訪れており、厳しい自然に囲まれて昔ながらの暮らしが残るよしかわの人や生活をよく知っておられたため、躊躇なくよしかわを推薦。

当時、当地で永田農法を推進する農業指導員であった、よしかわ杜氏の郷の山本秀一支配人が役所等に働きかけて、 法政大学への協力が実現したのでした。

最初は土地の人々の暮らしや農業・農村について学ぶ、というような「フィールドスタディ」を通じての交流でしたが、やがてその中から自発的に農業体験が始まり、それが「現地学習」の枠を超えた動きにまで発展していきました。

たとえば、現役学生やOBたちが棚田オーナーとなり、棚田の維持や農業活動に積極的に関わって、高齢化や後継者難に悩む過疎地域の活性化に取り組みました。こうした活動は先駆的な取り組みと評価され、2009年には石谷町内会が、「豊かなむらづくり全国表彰事業 北陸農政局長賞」を受賞するにいたりました。栄誉は町内会に与えられましたが、よしかわの人々は皆、この賞は法政大学の学生さんへの表彰だと知っています。このようなフィールドワークを超えた10年間の交流の中で、中心的な役割を担ってきたのが、このイベントを人間環境学部と共に主催した“法政米米クラブ”なのです。

もちろん、よしかわは法政大学の学生さんたちの恩恵をこうむっているだけではありません。よしかわは農業の現場を学ぶ場になるとともに、学生さんたちは「よしかわの元気な方々から元気をもらって帰り、また来たくなる」と言ってくれます。10年の歳月を通じて、よしかわと法政大学の学生さんたちとは互いに与え、与えられるという関係を築いて来たのです。

法政大学人間環境学部のフィールドスタディの場の一つとして吉川が選ばれ、農業や農村の姿、里山の自然環境などの学習を通じて法政大学との交流が始まったのが、2000年。その後、川谷地区や石谷集落などと学生たちとの密接な交流が発展し、交流開始10周年を迎えることになり、10年の交流の中で吉川を訪れた法政大の学生は300人を超えました。これを記念しての式典とパーティが行われたのです。

記念式典会場は校舎の食堂で、いかにも学生さんらしい手作り感あふれるアットホームな雰囲気で進みました。参加したのは学生さんやOBたちとそのご父兄、田中勉教授をはじめとする人間環境学部の教員の皆さんたち。よしかわからは交流の現場である川谷地区や石谷集落の人々や、土地改良組合、吉川区総合事務所、よしかわ杜氏の郷の職員が総勢30名余り招かれ、会場は100人を超える参加者であふれました。

会は2部構成。
第一部は「記念式典」。
人間環境学部長峰学部長からの吉川における10年間の活動の概説と御礼の挨拶があり、その後、総合事務所と川谷地区の人々への感謝状が贈呈されました。

吉川を代表して吉川区総合事務所の八木所長が答辞を述べ、法政米米クラブの活動がいかによしかわにとって有意義であったかについて強調、メンバーの皆さんへの敬意と感謝の意を表しました。感謝状を手渡されたあと、各地域のメンバーが賞状に見入っている姿は、10年間の交流を改めて思い起こし感慨を新たにしているように見えたのが印象的です。

第2部は「パーティ」。
交流10年を記念して、米作りから酒造りまでを米米クラブのメンバーが携わって造った交流10周年記念酒「吉天法」のお披露目と鏡割り、乾杯からスタート。

吉天法吉天法」のは吉川から、は法政大から取り、はよしかわ杜氏の郷のお酒「天恵楽」のと、交流10年の〈10(テン)〉をかけたとのこと。米作りから酒造りまでの活動を紹介したビデオも上映。乾杯ではお米の旨みがたっぷりの「吉天法」が、ひときわ身体にしみこむ味わいでした。

その後は米米クラブのメンバーや教員・父兄の方々と吉川からの参加者の懇親会です。実は米米クラブの吉川での活動はメンバーの家族も巻き込んでのもの。米米クラブが棚田オーナーとなって作ったお米は、それぞれのご家族がご購入・ご賞味いただいており、それが高齢化した農家の貴重な現金収入源となっており、また、「顔の見える消費者のためにお米を作る」ことが農家にとって得がたい張り合いになっています。このような活動を通じて吉川のお米や農産物・お酒のファンになってくださるご父兄も多く、そんな方がこのパーティにもご参加されていました。

「息子が吉川から帰ってくるたびに元気になっているので、どんな人たちと出会っているのか、一度お会いしたかった」「美味しいお米と野菜がとれる吉川にいつか行って見たい」とご挨拶をいただいたのはうれしい限り。会場ではよしかわのお酒やお米、青大豆、味噌などの産品が販売されましたが、即完売。皆さんのよしかわの「農」への信頼と愛着の深さを実感、胸が熱くなりました。

8月に行われる「やったれ祭り」などで太鼓を披露している吉川の太鼓演奏集団「鼓舞衆(こぶし)」が、このパーティのためだけに上京、それに学生が加わっての太鼓演奏や、吉川区商工会メンバーによる木遣り歌も披露され、東京の真ん中の、しかも校舎地下の会場に、吉川の澄んだ空気とやったれ祭りの熱気がしばし流れ込んでくるようでした。

米米クラブのメンバーの皆さんやご父兄たちとよしかわの人々との楽しい会話も弾み、この日のため特別に会場に用意された80本ほどの「吉天法」の無濾過生原酒も「美味しい!」の声とともに全部空き瓶に。美味しいお酒はコミュニケーションを楽しく、そして深くするもの、と改めて感じました。

歓談の後は、法政米米クラブのメンバーたちが考案した、「吉天法」を使っての日本酒カクテルのコンテスト。

日本酒カクテルコンテスト1「吉川の空」、2「吉川の緑」、3「吉川の稔り」、4「吉川の雪」

(1)ブルーキュラソーとピンクグレープフルーツを使った「吉川の空」、(2)ミルクと抹茶を使用した「吉川の緑」、(3)蜂蜜と生姜をブレンドした「吉川の稔り」、(4)カルピスを使った「吉川の雪」の4点が披露され、利き酒師やよしかわ杜氏の郷の支配人などが審査するという趣向です。

さわやかなブルーの色ながら、ピンクグレープフルーツを使ってしっかりしたコクがある意外性が評価され「吉川の空」が1位に選出、カルピスの懐かしい酸味と甘さの「吉川の雪」が2位、次いで「吉川の稔り」、「吉川の緑」という順位でしたが、それぞれがよしかわの春夏秋冬を表しているようで、また、どれもが染み入るような滋味とコクがあって、米米クラブの皆さんの吉川に対する思いが溢れているように感じました。

※これらの日本酒カクテルのレシピは、「よしかわ杜氏の郷味わい通信」にてご紹介しています。またよしかわ杜氏の郷売店にてご希望の方に配布しています。

最後はパネルディスカッション。
卒業生と現役学生が2名づつパネリストとして登場、今まで吉川で見聞きしたいろいろなことや、そこから得たもの、そして、今後の展望をそれぞれの視点から語られました。米米クラブメンバーの首都圏の近郊農家の娘さん(学生)が、「よしかわの厳しい自然の中の農作業で、農業の尊さや面白さを再発見した」と語ったのが印象的でした。

10年前、「大学の現地学習の場を提供する」という殆ど偶然のような出会いから生まれた法政米米クラブとよしかわとの「縁」。時を経てそれは双方にとって思いもかけない稔りをもたらしました。

今後もこの活動の中からきっと何かが生まれてきそうな予感がする。そんなことを期待させてくれる、楽しい集まりでした。

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