よしかわ杜氏の郷通信

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 ロハスな農村・よしかわの自然は、毎日違った表情を見せてくれます。
 私たちはそんな移り変わる自然の姿を目にしては、喜んだり悲しんだり…自然と喜怒哀楽を共にする暮らしをしています。
 そんなよしかわの姿をほんの少しですが紹介していきたいと思います。
 お気に召しましたら「よしかわ」に一度遊びにきてください。


ほたる青大豆とんぼめだか酒米 五百万石

▽6月27日
1.よしかわの今年の蛍は今がピーク。
そこここの小川や用水路のほとりで、たくさんの蛍が飛びかう幻想的な光景が繰り広げられています。ある場所では、山全体が蛍のイルミネーションに包まれ、遠くから見ると、まさに夏のクリスマス・ツリーでした。


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▽7月25日(6月28日取材)
2.永田農法青大豆が順調に育っています。
青大豆は新潟や山形などで古くから栽培されていた在来種。遺伝子組み換えの惧れがある外国産大豆ではありません。きな粉にすると特に美味しいため、吉川では昔から「きなこ豆」と呼ばれています。コクと甘みが強いため、枝豆や浸し豆用にも珍重されてきました。
よしかわの青大豆は、吉川区の農家が代々大事に継承してきたもの。現在はそれを永田農法で栽培し、さらにおいしい大豆となりました。
よしかわの青大豆は、特に脂肪分が少なく糖分が多いため、豆腐や醤油、味噌を造るのにも適しており、「よしかわ杜氏の郷」ではこの青大豆で味噌・醤油・豆腐・炒り豆などを製造・販売しています。また直売所では乾燥した青大豆や、季節には枝豆の販売も行っています。


青大豆は、広く間隔を取って植えられます。根本まで充分に太陽の光を当て、よく風を通すためです。こうして育てられる大豆は病害を受けにくく、とても元気な大豆になります。写真は土寄せ作業直前の大豆畑です。

 


5月に植えつけられた青大豆は一月ほどでこんなに大きくなります。双葉が残っているのがかわいらしいですね。


青大豆の根をご覧ください。極力肥料や水を使わない永田農法で育てる苗は、土の中から栄養をたくさん吸収しようと、がんばって細かいひげ根をはやします。豆のひげ根には、根粒菌がつき、それが豆の本体に窒素などの養分を供給しますが、ひげ根が多ければ多いほど根粒菌は多くなりますから、その分豆に与えられる養分も多くなり、充実したおいしい豆ができるのです。

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▽7月25日(6月28日取材)
3.トンボの飛び交う田圃


よしかわの田圃の上には、たくさんのトンボが飛び交っています。
夜明け頃田圃を見に行くと、ちょうどヤゴからの変身を終えたばかりのトンボが稲の根本にしがみついている姿が見られます。その下には必ずヤゴの抜け殻があります。田圃の中の小さな貝や虫を食べていたヤゴですが、トンボに変身し、日が登るにつれて羽根が乾くと、今度は飛んでいる虫を求めて田圃の上を飛び回ります。トンボは、米を守ってくれる益虫なのです。
朝早く畦道を歩くと、人の気配に驚いたトンボが一斉に飛び立つのも見ものです。この姿を見ると、「夏が来たな」といつも思います。
それにしても最近は、以前にもましてトンボが増えてきました。第一回でご紹介した蛍も、やはり毎年増えています。よしかわでは集落排水に取り組んだり、薬剤をできるだけ使わないようににしたりと、
環境をよくするための多様な取り組みを長年行ってきましたが、
その成果が、こんな部分でも実感できるのはとてもうれしいことです。
大昔、日本は「秋津島」と呼ばれていたそうです。秋津とはとんぼのことだそうですが、昔の日本は、田の上にたくさんのトンボが群れていたからそう呼ばれたのではないでしょうか。よしかわは、除草剤などなかった大昔の田圃の風景を取り戻しつつあるのです。

 

 

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▽7月25日(6月28日取材)
4.棚田のメダカたち
 
よしかわの水の美味しさには定評があります。標高757メートルほどもある尾神岳はブナ林に覆われ、溶けた雪や雨はブナ林から地面に沁みこみます。いわば天然の濾過器を通過してきれいになった水は、地中に蓄えられ、その水がそこここから湧き出しています。
雑菌もなく、ミネラル分も少ない滑らかでおいしい水は酒造りには最適な超軟水で、よしかわ杜氏のお酒はすべて尾神岳の伏流水を使います。
その同じ水で、よしかわの農業は行われています。年間を通じて摂氏8度以下という冷たい水は、ため池に蓄えて暖かくしてから田圃に流します。
そんなきれいな水で米を作る棚田に行けば、メダカの姿が見られます。よくメダカと混同されるそっくりさんの外来種「カダヤシ」ではありません。正真正銘のメダカです。きれいな水にしか棲めないというメダカは、いまや絶滅危惧種となっているそうです。そんなメダカがいるのは私達の誇りです。
メダカは群れを作って「めだかの学校」の歌詞そのまま、用水や田圃の中をすいすいと泳いでいます。メダカの群れは敏感です。ちょっと人の気配を感じるとすぐに気づいて逃げてしまいますし、(「そっとのぞいてみてごらん」という歌詞の通りなのです。)足の生えかけたオタマジャクシが近づいてきたり、近くにアマガエルが飛び込んできたりすると、瞬間的に向きを変えて遠くに逃げていきます。そんな風景を見ているだけで、小一時間経ってしまいます。子供の時もこんな風にあっという間に時間がたったものだな、と思い出しました。


↑おたまじゃくしもうろうろしてます


すばしっこくなかなか写真に収まってくれないので
ちょっとだけごめんなさい。

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▽7月25日
5.酒米「五百万石」も成育順調!(7月20日取材)

酒米「五百万石」は、誰でも名前を聞いたことがあるはず。新潟の代表的な酒米として登場し、新潟のお酒の「淡麗」な味わい作りに貢献してきました。よしかわは、実は五百万石の最大の産地。
「五百万石のふるさと」なのです。
永田農法で育てる五百万石は、雑味の原因となるタンパク質が少なく、心白が大きく、しっかりと硬くて割れにくいという、酒米としては最高の品質を誇っており、各地の有名地酒メーカーにも供給されています。
よしかわの五百万石は、5月に田植えを行い、現在60センチほどに成長しています。7月の下旬に開花し、8月の下旬から9月初めにかけて収穫の時期を迎えます。健康に育った今年の稲。これからの天候が気にかかります。


色の違う稲の謎?
この田んぼの写真、上と下とで稲の色合いが違うのがわかるでしょうか。実は手前の色の濃い稲は手植えで30センチ間隔で植えたもの。奥の色のやや薄い稲はそれより数センチ短い間隔で、田植え機で植えたもの。光の当たり方など、ほんの数センチの違いでできる微妙な差が、色の違いを生んだようです。永田農法では極力間隔を開けて植えていますが、それでも数センチでこんなに差がつくのにはあらためて驚きました。稲作りというものは奥が深いものです。


扇形に広がる五百万石の稲。
5月半ばに植えられた苗は、2月ほどで60センチまで成長します。数本だった株は分けつ(株分かれ)して10本ほどに増えています。実は扇形に広がるこの形こそ、よい稲の証し。茎の一本一本ごとに、根まで日が当たり、さらに風通しがよくなるのが健康な稲の条件。農家はこの扇形ができると、顔がほころびます。



雑草を取り終わった田んぼ。
除草剤を使わないため、雑草取りが大変です。今年も6月半ばから、7月のはじめにかけて丁寧に雑草取りを行いました。ひと畝づつ、雑草を抜いていくのです。この写真の田んぼは水が抜かれていますが、極力水を与えない永田農法では、水遣りの時期や量の見極めがポイント。そのために農家は朝に夕に稲の状態をチェックし、田んぼに水を入れたり、抜いたりの判断をします。

 

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