よしかわ杜氏の郷通信 

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お酒を徳利に入れる。 お湯を張った鍋にその徳利を漬ける。 そして待つことしばし。 ふわりと漂う豊かなお酒の香り。 口の中に広がる圧倒的な旨み。 きりっと際立つ爽やかな酸味。 軽やかな舌触りとすっきりした喉越し。 お酒の美味しさが体にしみわたる、お燗酒。 お酒は、お燗で別次元の美味しさを輝かせます。 お燗でもおいしい、「よしかわ杜氏の郷」のお酒。 ちょっとひと手間かけるだけで、 もっと楽しいお酒の世界が開けます。

お燗の種類と温度の目安お燗をすると、お酒はよりまろやかになり、旨みや酸味がくっきりしてひとあじ違う美味しさに。正直な造りのお酒はお燗でさらにおいしくなり、料理との相性もアップします。「よしかわ杜氏の郷」のお酒のおすすめは〈ぬる燗から上燗(40℃〜45℃)〉。香りがたっぷり漂い、味のバランスが最もよくなるのがこの温度。体にしみいる旨さを、ぜひお試しください。

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美味しいお燗の方法
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1.深めの鍋に水を入れ、火にかける。

2.水面がゆらっとしたら(約60℃)火からおろし、お酒が入ったお銚子を入れる(約1〜2分)。

3.温度のチェックは、銚子を取り出して底を手のひらで触って少し熱いくらいでOK。まだぬるかったら、お鍋に戻して調整します。
お燗のイラスト

★お湯が熱すぎると、熱のためにお酒が変質してしまうことがありますのでご注意ください。
★手のひらで温度を判断する自信がなかったら、料理用の温度計や専用の“お燗用温度計”をご利用されると便利です。

日本酒の燗の温度は意外にぬるめ。焼酎のお湯割りに慣れていらっしゃる方には物足りない熱さかもしれませんが、じわ〜っと体を温めてくれる効果の程は一度お試しいただければ、納得のものです。

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お燗の基礎知識

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■■お燗はベタベタ甘ったるい!は、昔の話。■■
お燗が嫌い、という方の多くが「昔飲んだ燗酒がツンツンしてベタベタ甘くて不味かったから」と仰います。確かにお燗でベタつくお酒というのが存在します。それは「合成清酒」と呼ばれるお酒です。昭和のはじめの米不足の時代に発明されたこのお酒は、お米を極力使わず、グルタミン酸ソーダ(合成調味料)や糖類、酸味料、合成アルコールなどを添加して日本酒風の飲料にしたもの。戦後も70年代の地酒ブームまではこのタイプのお酒が主流でした。この手のお酒のお燗は確かに水飴などの糖分でベタベタ、アルコールはツンツン、合成調味料で舌がイガイガするようなものでした。しかもこのころの飲み屋では合成酒をお燗器(一升瓶が逆さに装着された、生ビールのサーバーに似た機械)で提供することが多かったのですが、この機械を使うとお酒はずっと温められたままで、前日の残りもそのままということも多く、それがお酒を最悪のお燗にしていたのです。「お燗はベタベタ」という印象をお持ちの方は、この時代のお酒の記憶のためです。

しかし80年代からは合成酒でないお酒が増えてきました。本醸造酒や純米酒です。これらのお酒は基本的にお燗でもベタベタしません。“ベタベタ”のイメージのためにお燗酒をためらっている方は、ぜひまず純米酒で挑戦してください。新しい味の世界が開ける楽しさを、きっと感じていただけます。

燗酒■■熱燗だけがお燗ではありません。■■
お店でお燗酒を頼むとき、「熱燗!」と自動的に言ってしまう人が多いようです。しかしそれも昔の習慣。アルコールの添加量が多めのお酒が多かった時代は、熱燗にするとアルコールが大量にとんで、ツンツンした険がなくなりまろやかになったことで熱燗が愛好され、お店でも熱燗が標準仕様でした。もちろんお好みにもよりますが、現代のしっかりした造りの本醸造酒や純米酒をお燗で味わうなら、40℃〜45℃位(ぬる燗から上燗)が適温。コクのあるタイプはぬる燗、そうでないものは上燗がよいでしょう。その温度帯で味も香りもアルコール感もベストバランスになります。それ以上だと香りや味のバランスが崩れ、せっかくのお酒がもったいないことになってしまいます。

■■お燗で判る、お酒の素性。■■
お燗は、お酒の素性をはっきりさせてしまいます。ちゃんとした原料米を使い、しっかりした麹を造り、きっちりと細菌環境の管理を行って充分なもろみ期間を取り、過度の濾過や香り付けを行っていないお酒はお燗で五味がよりくっきりと感じられ、味のバランスもよくなってゆっくりじっくりとと味わえるお酒になります。40℃〜45℃の温度で香りも味も良いお酒は、正直な造りをしているお酒といえます。
一方、お燗で美味しくなくなるお酒もあります。冷やではまとまりのある味わいだったお酒でも、お燗では味のバランスが崩れ、水っぽく感じたり、刺激的な味を感じたり、アルコールのきつい味と香りが際立ったり、あるいはいやな香水臭がしたり、香りがとんでしまったり・・。昔から有名な銘柄のお酒でも、最近マニアの間で評判の地方蔵元のお酒でさえもこんなことがよくあり、その多くは最初に記したような「正直な造り」を行っていないお酒といって良いでしょう。
お酒は多くのメーカーにとって、当然ながら「利益を生み出す商品」です。ですから他の業界同様、原価コストを下げたり、製造工程や掛かる人手や時間を軽減して利益を生み出そうとします。そうして出来た製品に手を加えて実にもっともらしい味や香りに仕上げる、ということも行われます。日本酒でもワインでもそのための技術は相当発達しているのです。
でも、原料米の質が良くないために出てしまったエグみを濾過している、しっかり中まで破精た麹を造っていない、もろみ期間を充分にとって味を引き出していない、添加するアルコールの量を多くして辛口感を演出する、人気のあるタイプの香りを付けるなどの不正直な製法は、お燗によって判ってしまいます。江戸時代は夏でも冬でもお燗で飲まれたお酒ですが、現在は1年を通して冷酒で飲むのが一般的。そのため原料費や手間や時間を惜しんだお酒は、冷酒や冷やの状態で美味しくなるように味を調整して造られています。冷やで美味しくともお燗にすると不味くなるお酒は、このような造り方のお酒である場合が多いわけです。

■■電子レンジでチン!は避けましょう。■■
お燗を電子レンジでチン!はできるだけ避けてください。電子レンジのお燗で美味しくない燗酒を飲んでしまい、その後お燗を敬遠される方も意外に多いのです。理由の1つは、温度ムラにあります。お銚子をレンジにかけると中のお酒に部分的に60〜80℃以上に達してしまう場所が出来て、その部分の香りがとんだり、変質してしまったりします。逆に温度が上がらない箇所もあり、そこではお燗の効果が現れてくれません。レンジでのお燗の味はちぐはぐなものになってしまいがちなのです。
もう一つの理由は、お銚子の温度。お鍋でのお燗の場合はお銚子の温度も上昇し、それが中身が冷えるのを遅くしてくれますが、レンジの場合だと中が熱くなってもお銚子が冷えたまま、ということがよくあり、中身もすぐに冷めてしまいがちです。ゆっくりと味わうのがお燗酒の醍醐味ですが、あっという間に「燗冷まし」になってしまってはつまりません。レンジでのお燗は、燗酒よりも、燗冷ましを作るのに向いているといえるでしょう。

カップ燗■■お銚子がなくても大丈夫。便利なお燗器もどうぞ。■■
最近は燗酒用にいろいろな製品も売られており、道の駅「よしかわ杜氏の郷」売店でもいくつか取扱っておりますが、お銚子がなければ、ワイン用の小さなカラフェや、大きめのコップや湯のみでも大丈夫。また、よしかわ杜氏の郷のカップ酒は、お湯に漬けてもラベルがはがれませんので、そのまま蓋を外して湯を張った鍋に入れて燗酒にしていただくことができます。

 

よしかわ杜氏「普通酒」よしかわ杜氏本醸造大辛口商品720ml有りがたし瓶天恵楽 特別純米酒お燗におすすめのよしかわ杜氏の郷のお酒
写真左から よしかわ杜氏[普通酒]/ よしかわ杜氏[本醸造酒]/よしかわ杜氏[大辛口]/純米酒[有りがたし]/純米酒天恵楽[特別純米酒]こちらの商品はオンラインショップでご購入いただけます。

※天恵楽[特別純米酒]はスローフードニッポン実行委員会及び株式会社酒文化研究所主催「燗酒コンテスト2009(第一回)」にて金賞を受賞しました。

 

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