よしかわ杜氏の郷通信

 よしかわ杜氏の郷のトップページよしかわ杜氏の郷通信トップ  58≫2013年2月3日

 ロハスな農村・よしかわの自然は、毎日違った表情を見せてくれます。
 私たちはそんな移り変わる自然の姿を目にしては、喜んだり悲しんだり…自然と喜怒哀楽を共にする暮らしをしています。
 そんなよしかわの姿をほんの少しですが紹介していきたいと思います。
 お気に召しましたら「よしかわ」に一度遊びにきてください。

酒造り見学、今が旬! ー 2月の蔵は、フル稼働中!ー 醸造スケジュール特別公開!

日本酒のもろみよしかわ杜氏の郷の酒造りは、昔ながらの“寒造り”。
大手のお酒メーカーは空調を利用し、一年を通じて酒造りを行っていますが、 私達は豪雪地帯・越後の厳寒期のみにお酒を造ります。
寒さ厳しく、しかも雪の多いこの季節は、お酒造りの邪魔になる雑菌やホコリが非常に少なく、低温でじっくりと麹菌を育て、お米を発酵させられるため、お米から純良な旨みとアルコールをしっかり引き出して、美味しいお酒ができるのです。

そんなよしかわ杜氏の郷の蔵の2月は、大忙し!
下のスケジュール表の通り、洗米、蒸米、麹作り、仕込み、搾り、瓶詰め…酒造りのすべてが同時進行しています。
豪快にして繊細。元禄時代から連綿と伝わる、“よしかわ杜氏”の技を見るなら今!ぜひご来店ください。

●お酒造りのご説明を承ります(要電話予約)。
グループでお越しのお客様に、酒造りのご説明を承ります。ご来場の3日前までに、必ずお電話でご相談ください。
なお、当蔵の工程や人員配置の都合により、ご要望にお応えできないことがございますので、あらかじめご了承ください。
お問い合わせ・ご相談は→Tel:025-548-2331まで 

<大公開!よしかわ杜氏の郷 2月の醸造スケジュール>
2月のよしかわ杜氏の郷の蔵の中では、何種類ものお酒が同時進行で作られています。
朝は純米酒用の酒米を洗って蒸しあげ、その合間に吟醸酒のもろみの様子を見て、今度は蒸したお米を麹室に運び入れて床(とこ)の上に広げ…杜氏や蔵人たちはてんてこまいの日々。そんな沢山の仕事は、きちんとスケジュールを組んで管理されています。下の表はそんな複雑なスケジュール表を簡略化たもの。下の表で空いているように見える時間帯にも実は沢山の細かい仕事が組み込まれています。お酒造りも、見学も、今が旬なのです。





<スケジュール表がわかる!お酒造り用語集>
上のスケジュール表をご覧いただいても、ほとんどの方には「?」かもしれません。 そこで、ここではスケジュール表に出てくる「かい入れ」「仕舞仕事」など、耳慣れない言葉を解説させていただきます。

もっと詳しく知りたい方は、こちらのページに、さらに詳細な説明がございますので、ぜひご覧くださいませ。


■はじめに〜お酒ができるまでの7つの段階■


日本酒を造る工程は大まかに下のような7つの段階があります。
【お米の準備】→【蒸米(米を蒸す)】→【製麹(麹米を造る)】→【仕込み(醸造)】→【上槽(搾り)】→【熟成・濾過・火入れ(殺菌)等の処理】→【瓶詰め】


■いよいよ本番!お酒造りがわかる、<酒造り用語>■

上に記した7つのステップは、さらに細かい作業にわかれています。「2月のスケジュール」に出てくる「出麹」「麹盛」などの言葉は、その作業の内容を示しています。
ここでは段階ごとの作業内容と名称(用語)を、酒造りの手順を追ってご紹介します。スケジュール表をご覧いただく際のご参考にしていただければ幸いです。
なお、【お米の準備】【熟成・濾過・火入れ(殺菌)等の処理】【瓶詰め】はここでは割愛いたしました。こちらのページに詳細を記してありますので、ご覧ください。

【蒸米(米を蒸す)】
甑(コシキ)準備 コシキは酒米を蒸す巨大な蒸し器。コシキに浸漬〜水切りが終わった酒米を入れ、コシキの下部の釜から噴出する蒸気が一粒一粒すべてのお米に均等に行き渡るように、コシキの上に布を張ります。

●蒸米(蒸出し) コシキで酒米を蒸します。酒米が、麹の繁殖しやすい硬さと水分量になるよう細心の注意を払います。

●冷却 ベルトコンベアに蒸した米を送り、ファンで熱を冷まします。その後は麻布をひいた筵の上に米を広げ、適切な温度と湿度になるまで放置します。

【製麹(麹米を造る)】
●麹引き込み 麹室の床(とこ)に、蒸した後冷却した米を広げて温度を均一にします。

●麹種付 適温になった米に麹を振って布で包みます。

●切り替えし 麹菌の増殖に伴って上昇する米の温度を下げ、また麹の成長のムラをなくすため、米を揉みほぐします。

●麹盛り 種付けの翌日、麹菌が均一に繁殖するように 小分けして箱に盛ります。

●仲仕事 麹の成長のムラができないように米の温度を調整しながら、米を攪拌、薄く広げていきます。

●仕舞仕事 再び菌の増殖により温度が上がるので、よく攪拌を行い温度を下げます。その後は蒸米を広げ、うねを作って表面積を大きくするなどをして品温の急上昇を防ぎながら、余剰な水分を蒸発させていきます。

●出麹 酒母用の麹は仕舞仕事の約8時間後、掛麹用の麹は約12時間後に麹室から出して冷まします。

【仕込み(醸造)】
●酒母(もと)造り 醸造の第一段階です。麹と水と酵母を合わせて、厳重な管理のもと10日ほどかけて、お酒の発酵に必要な酵母を増殖させていきます。

●櫂(かい)入れ 蒸米を仕込んでから10時間〜20時間経つと、水を吸った蒸米が浮き上がってくるため、内容に偏りをなくすため櫂入れ(攪拌)を行います。なお、櫂入れは発酵期間中は毎日随時行われます。

●醪(もろみ)造り 完成した酒母に、3段階にわけて水・麹米・蒸米を投入していきます。
→1段階目 <初添> 酒母を大きなタンクに移し、麹、水を合わせ(水麹)、2〜3時間後に蒸米を投入します。
→踊り 初添えの翌日はひたすら酵母の増殖を待つ日となります。
→2段階目<仲添> 踊りの翌日、さらに麹、水、蒸米を投入します。
→3段階目 <留添> 仲添の翌日、さらに麹、水、蒸米を投入します。

●発酵(熟成) 留添の後、もろみの中では糖化とアルコール化がさらに進行していきます。糖化やアルコール化の速度は味わいに大きく影響するので、厳しい温度管理で最適の発酵状態を保ちます。もろみの期間は約3〜4週間です。

【上槽(搾り・圧搾)】
●上槽(搾り・圧搾) 発酵が終了すると、もろみを液体(酒)と固体(酒粕)に分けます。よしかわ杜氏の郷では大吟醸酒などは麻袋にもろみを入れてゆっくり水分を滴らせる「袋吊り」を行い、本醸造酒等は連続搾り機で「機械搾り」を行うなど、品目によって上槽の方法を使い分けています。

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お酒造りの工程、その作業の多いことに驚かれたかもしれません。

これは日本酒が、「平行複発酵」といって世界でも珍しい製法で造られるからです。ビールなどのお酒はまず穀物を糖に分解してから、アルコール発酵を行う、というシンプルな手順なのにのに対して、日本酒では、糖の分解とアルコール発酵を同時に進行させるため、よりキメ細やかな管理と世話が必要になるのです。そして低温下で時間をかけて発酵させていくことにより、お酒には多くのビタミンやアミノ酸、旨み成分や香り成分が溶け出し、また発生して、より深い味わいのお酒になるのです。

実は現在、大手のメーカーではより簡略化し、醸造期間も短縮化された製法をとることが多いのですが、よしかわ杜氏の郷では、部分的に機械を導入してはいるものの、基本的には昔ながらのやり方で、時間も手間もかかる方法をあえて採用、元禄以来の技術を最大限に活かし、また現代のテクノロジーを活用して、美味しいお酒を造っているのです。私達の酒造りの様子をご覧になると、お酒をもっと美味しく味わっていただけると思います。

雪の季節ではありますが、この季節しか見る事の出来ない仕込みの風景を見学に「道の駅よしかわ杜氏の郷」へ足をお運びください。

只今、新酒が、続々と発売中!。ご注文は、お電話・ファックス・オンラインショップで!

 

お酒は20歳になってから。当社は未成年者へのお酒の販売はいたしません。 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがありますので気をつけましょう。 株式会社よしかわ杜氏の郷 〒949-3449 新潟県上越市吉川区杜氏の郷1番地 TEL 025-548-2331 FAX 025-548-2322 (c)2006 YOSHIKAWA-TOUJINOSATO Co;Ltd. All rights reserved.
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