よしかわ杜氏の郷通信

 よしかわ杜氏の郷のトップページよしかわ杜氏の郷通信トップ  49≫2012年2月7日

 ロハスな農村・よしかわの自然は、毎日違った表情を見せてくれます。
 私たちはそんな移り変わる自然の姿を目にしては、喜んだり悲しんだり…自然と喜怒哀楽を共にする暮らしをしています。
 そんなよしかわの姿をほんの少しですが紹介していきたいと思います。
 お気に召しましたら「よしかわ」に一度遊びにきてください。

雪景色のよしかわへ、きてくんない!

やや雪が少なめだった今年の冬。いつもは2〜3メートルもの雪が降り積もる山間部でも1メートル位。
でも1月25日からの大雪で、1月27日現在、平地部では80センチ、山間部でも1メートル50センチの積雪となっています。右の写真は1月27日朝に撮影したものですが、どうでしょうか、ようやく「豪雪地帯・よしかわの冬」らしい景色になりました。

しかし先週は寒さがゆるみ、週末には雪が溶け出すほどでした。〈パルシステム東京〉の組合員さんの「酒造り体験」が行われたのはそんな最中の1月21日・22日の2日間でした。

60人以上の応募者から抽選で選ばれたお子様5人を含む20名の皆さんが、よしかわ杜氏の郷を来訪、お酒造りを体験する、というツアー企画です。旧よしかわ町の時代から〈パルシステム東京〉様とはご縁が深く、「コア産地」として、「田植え体験」「稲刈り体験」など産地交流を行っており、その一環のイベントです。当初は少人数だったご参加者様も徐々に増えて、今では人気イベントになっています。

さて、組合員の皆様は東京から到着後すぐに蔵の中に入っていただき、さっそく酒造り体験。洗米や蒸し米の「枯らし」(蒸したお米を運んで、薄く広げる作業です)麹作りなどをお手伝い頂きました。

その後、山間部にある廃校を利用した宿泊施設「スカイトピア遊ランド」に移動、雪一面の広い元校庭に作った「かまくら」の中で焼きたてのお餅や、よしかわ杜氏の郷の酒粕でつくった甘酒を楽しんでいただく、という目論見だったのですが…

かまくらいざ、「かまくら」の中に入ってみると…
数日続いた暖かさに、大人数の体温や料理の温度が加わって…
徐々に雪が緩んでかまくらの天井は溶け出し、皆さんのコートやジャケットを濡らし、足元もだんだんとぬかるみのようになり…やがて最後には「かまくら」はあえなく崩落!

写真は2009年のパルシステム東京様の「酒造り体験」の際のかまくら。夜、かまくらの中にろうそくを灯すと、幻想的な風景に一変します。今回もこんな雰囲気を堪能していただくはずでした。

ミニかまくらこちらはバケツでつくった、ミニかまくら。こんな遊びも雪国ならではです。

思わぬアクシデントにお子様たちは大喜び、大人は大はしゃぎの子供達を見ながら苦笑い…
なんとも申し訳なく、なさけないことになってしまいました。

組合員の皆さんは翌日、上越ならではの”ふのり”や山芋を使った蕎麦打ちや、餅つきなどをご体験、大満足のご様子でお帰りいただきましたが、今日のような雪国らしい・よしかわらしい雪景色を見せて差し上げたかったものです。

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さて、「雪景色」と言ってしまうと、雪一色の単調な死の世界のようなイメージになってしまいます。
でも、よしかわの雪の世界は、とても多様で豊か。
雪の中でも、生物や植物の生き生きした気配を感じることができるのです。

こちらも2009年のパルシステム東京様の「酒造り体験」の際の写真になりますが少しご紹介いたします。

↑上の写真は、山間部の棚田。水を張った田んぼの表面は凍っています。冬に田圃に水を張った景色はなかなか見かけないと思います。これは「冬季湛水」(冬水たんぼ)と言って、もちろんわざわざ水を入れているのです。田圃に水を入れることによって、土や水の中に住む微生物や動物が低温下でも活動し、稲の株や藁、田圃の中で死んだ昆虫や動物、細菌などを分解して自然の肥料に変えてくれます。またイトミミズなどは土の表面にゼリーのような層を作り、雑草がはびこるのを抑制してくれます。生き物達の活動のために土が柔らかく保たれるほか、水鳥の餌場となり、また害虫を食べてくれるカエルや、メダカなどの生物の卵を春まで保護してくれるなど、生物の多様性を守る働きをするのも「冬水田圃」の役割。水に恵まれたよしかわならではの景色です。

 

雪に埋もれた里山を歩くと、いたるところで小さな足跡に出くわします。鹿、兎、テン、狸などその種類は多様です。動物達は雪の中を餌を求めて歩き回っています。時には動物の糞を見つけることもあります。雪の中を歩くのは心細いものですが、そんな動物の活動の痕跡を見つけると、同じ生き物同士だからでしょうか、仲間が近くにいるようで、なぜかほっとするものです。

 蕗のとう

↑写真左:よしかわの里山の中でも「桐」は良く見かける木のひとつ。春にはたくさんのうす紫色の花が咲くので、遠くからでもすぐにわかります。桐の木は背が高いため、実をつけることを知っている人は少ないようです。写真は雪の上に落ちていた桐の実。雪が溶けて土の上にたどり着いて芽を吹くのをじっと待っています。

写真右:いつも水が絶えないせせらぎでは、気の早い「蕗のとう」が顔を出しています。蕗のとうはご存知のように芽の周囲を何重にも苞(ほう)と呼ばれる小さな葉が取り巻いています、これは厳しい寒さから芽を守るため。雪の下から芽吹くふきのとうは、やはり寒さから芽を守るために糖分が多く(凍りにくくなります)、ほろ苦さと甘さが絶妙のバランスで、実に美味。栽培ものとは格違いの美味しさです。

↑写真左:里山の雪景色の中を歩くのに必要なものは昔は「かんじき」。竹と藁で作ったシンプルな道具です。これを靴にくくりつけて使います。これだけのことで足は雪の中に沈まなくなり、格段に歩きやすくなるのですから昔の人の知恵はたいしたものです。
写真右:今はスノーシューという便利でハイテクな靴が登場しています。こちらは足を上げる際にシューと踵の間の部分が開くようになっているので、かんじきのように足全体を持ち上げる独特の歩き方は必要ないのですが、かんじきに慣れた人はやはり昔の道具のほうが気楽に歩けるようです。

さて、雪の里山の面白さを今回はお伝えしましたが、里山でのスノートレッキングは実は危険もいっぱい。雪に覆われて見えない水路や、崖の縁の下生えに雪が積もって道のように見えてしまうところがあったり、道の一部が崩れたところに雪がたまっていて気がつかなかったり…そんなところに足を踏み込んだら一巻の終わりです。雪がない時の状態を知っている人と一緒でなければ、絶対にやらないようにしてください。

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こんなに雪が積もっているのでは「よしかわに行くのは無理?」とお思いになった方も多いかと思いますが、ご安心ください。

よしかわの道路では、豪雪地帯ならではの入念な除雪が行われており、夜に降り積もった雪も、明け方には除雪車が稼動してきれいに一掃。交通に不便はありません(もちろんチェーンやスタッドレスタイヤ 、そして注意深い運転は必要ですが)。

よしかわの蔵では今酒造りの真っ盛り、洗米・蒸し米・麹造り・仕込み・搾り…お酒造りのあらゆる作業が同時進行中。酒造りの様子をじっくりご覧いただけます。

そして毎日イキイキした味わいの「新酒」が続々誕生中!販売も開始しています。

冬ならではの「酒造りの作業」そして「新酒」、ぜひ「よしかわ杜氏の郷」にご来訪いただき、お楽しみください。

※売店内の〈足湯〉は土日・祭日に行っていますが、予告なく中止となる場合がありますので、お電話にてご確認ください。


にごり酒〈雪あかり〉雪で冷やした「雪あかり」をあたたかい部屋で、鍋を囲んでちびりと飲るなんて…おつなものです。
こちらも新酒です!

すっきり辛口、料理に合うにごり酒

S-100 雪あかり[にごり酒]720ml 924(税込)

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※雪あかりは火入れを行っております。冷暗所に保管してください。商品の詳しい情報はオンラインショップよりご覧頂けます。

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お酒は20歳になってから。当社は未成年者へのお酒の販売はいたしません。 妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがありますので気をつけましょう。 株式会社よしかわ杜氏の郷 〒949-3449 新潟県上越市吉川区杜氏の郷1番地 TEL 025-548-2331 FAX 025-548-2322 (c)2006 YOSHIKAWA-TOUJINOSATO Co;Ltd. All rights reserved.
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